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浄化槽の人槽の算定方法——5人槽・7人槽・10人槽は延べ床面積130㎡で決まる

要点まとめ
  • 人槽は居住人数では決まらない。JIS A 3302-2000の一般住宅では、延べ面積が130㎡以下なら5人槽130㎡を超えるなら7人槽、台所と浴室がそれぞれ2か所以上ある二世帯住宅は10人槽
  • 環境省の指導・助言マニュアル「表 3-1」も同じ区分を掲げる。ただし商業資料や自治体要綱では「130平米未満」「130平米以上」と書く例があり、130㎡ちょうどの扱いが資料間で矛盾する。
  • 亀岡市は平成26年4月1日から5人槽の面積基準を170平方メートル以下に緩和し、7人槽は170平方メートルより上としている。国のJIS数値と異なる。
  • 旧規格JIS A 3302-1988は「n=5+(A-100)/30」という算定式で、100m2以下が5人、220m2を超える場合が10人と規定され、2000年版と年代で食い違う。
  • 人槽が決まれば設置費用清掃料金合併か単独かの見積もり前提が揃う。境界付近は市町村と指定検査機関に確認する。
2026年7月12日時点——人槽は居住人数ではない

浄化槽の人槽は家族の人数では決まりません。JIS A 3302-2000では延べ床面積Aについて「A≦130」の場合「n=5」、「130<A」の場合「n=7」、台所が2ヶ所以上かつ浴室が2ヶ所以上なら「n=10」とされています。

環境省の指導・助言マニュアル「表 3-1」も、延べ面積が130㎡以下の住宅を5人槽、130㎡を超える住宅を7人槽、二世帯住宅(台所と浴室がそれぞれ2箇所以上)を10人槽としています。

大人2人暮らしでも面積が130㎡を超えれば7人槽の列を見ます。清掃料金や設置費用の表も、使用人数ではなく算定人槽で選びます。建築確認申請書や登記簿で延べ床面積を先に確認してください。

「2人暮らしなのに7人槽?」——新築や転換の見積もりで、居住人数と人槽が一致しないと感じる持ち主は少なくありません。しかし浄化槽の人槽は、家族の人数ではなく建物の条件で算定されます。

日本産業規格 JIS A 3302-2000の住宅施設関係の算定式では、延べ床面積をAとしたとき「A≦130」の場合「n=5」、「130<A」の場合「n=7」と規定されています。さらに、台所と浴室がそれぞれ2ヶ所以上ある場合は「n=10」です。

環境省の指導・助言マニュアルにある「表 3-1」(一般住宅の算定基準)も同じ考え方です。「延べ面積が 130 ㎡以下の住宅」は5人槽です。「延べ面積が 130 ㎡を超える住宅」は7人槽、「二世帯住宅(台所と浴室がそれぞれ2箇所以上)」は10人槽とされています。

つまり、算定の出発点は延べ床面積と、台所・浴室の数です。大人2人でも延べ面積が130㎡を超えれば、基準上は7人槽の列を見ることになります。

はじめまして 浄化槽の清掃の頻度のことで検索していたら出て来たのでご質問させていただきたいと思って 私は顧客側です 本日浄化槽の点検業者から、清掃時期ですと言われました。 一年に一度やらないといけないことはわかっていますが、 今までは一杯になってから掃除していました。 その前に清掃頻度が多くて業者に相談したら、ティッシュペーパーなどを流さなければ長く汲み取りしなくて済むと言われその通りにしたらなんと7年も汲み取りしなくて済みました。 今回、同じようにティッシュは流していないのに2年経つので汲み取りをと言われました。 これは満タンではないのに掃除を言われているのではと思っているのですが、満タンになっていないのに掃除しないといけないものなのでしょうか? ちなみに7人そうで、おとな2人が使用しています。 長々と失礼いたしました。

いなかの浄化槽 · 【ダイキXE型】浄化槽清掃を怠ると大変!5人槽の清掃手順紹介

7人槽で大人2人——清掃料金の表では人槽の欄で選びます。使用人数が少ないからといって、算定基準の人槽が自動的に下がるわけではありません。清掃料金の記事でも、人槽別の料金表を先に揃える必要があると整理しています。

5人槽・7人槽・10人槽の適用住宅

次の表は、JIS A 3302-2000と環境省マニュアルが示す一般住宅の区分を並べたものです。

人槽延べ床面積・設備条件(公的基準)想定される住宅の例
5人槽「A≦130」/延べ面積が 130 ㎡以下延べ床面積130㎡以下の一戸建て
7人槽「130<A」/延べ面積が 130 ㎡を超える延べ床面積130㎡を超える一戸建て
10人槽台所2ヶ所以上かつ浴室2ヶ所以上/二世帯(台所と浴室がそれぞれ2箇所以上)二世帯住宅など、台所と浴室が二系統ある住宅

フジクリーン株式会社の人員算定表も、「A ≦ 130(注2)の場合」は「n = 5」、「130(注2) < Aの場合」は「n = 7」、「(2世帯住宅の場合)」は「(n = 10)」としています。中央日化サービス株式会社の説明では「130㎡未満」は5人槽、「130㎡以上」は7人槽、「2世帯住宅で、両方に台所・風呂がある」は10人槽とされています。

10人槽について、JIS A 3302-2000の⑤では、二世帯住宅のように浴室及び台所が2つ以上ある住宅は処理対象人員10人とされています。

条文の但し書きは次のとおりです。

「ただし、状況に応じて減ずることができる。」

生活様態に応じて、設計段階で減額算定を検討する余地があります。

JIS A 3302-2000と環境省の区分
人槽算定条件(公的基準)
5人槽「A≦130」/延べ面積が 130 ㎡以下
7人槽「130<A」/延べ面積が 130 ㎡を超える
10人槽台所2ヶ所以上かつ浴室2ヶ所以上/二世帯(台所・浴室各2箇所以上)

フジクリーンの人員算定表も「A ≦ 130」の場合「n = 5」、「130 < A」の場合「n = 7」、「(2世帯住宅の場合)」は「(n = 10)」です。中央日化は「130㎡未満」5人槽、「130㎡以上」7人槽、「2世帯住宅で、両方に台所・風呂がある」10人槽としています。建築基準法のトリセツ(ブログ)も同系統の区分を掲げます。

130㎡の境界——資料どうしで食い違う

130㎡ちょうどの扱いが、最も混乱を招きやすいポイントです。

公的出典のJIS A 3302-2000と環境省マニュアルは、「A≦130」を5人槽、「130<A」を7人槽としています。130㎡ちょうどは5人槽側に入ります。

一方、矢吹町の補助金要綱(合併浄化槽の設置整備)では、「5人槽」は「延べ床面積130平米未満」、「7人槽」は「延べ床面積130平米以上」とされています。株式会社アベルホームの記事は「延べ床面積130平米未満(約40坪未満)のお宅5人槽」と説明しています。同じ記事に「延べ床面積130平米以上(約40坪以上)のお宅7人槽」ともあります。

株式会社トーカンのFAQでは「延べ床面積130㎡以下の場合は5人槽」と説明しています。同じ資料に「延べ床面積130㎡以上の場合は7人槽」ともあります。130㎡が5人槽と7人槽の両方へ当てはまる矛盾した表現です。

境界付近の住宅では、補助金の対象人槽と設計上の人槽がずれないか、市町村の環境課または指定検査機関に確認するのが安全です。

A≦130JIS A 3302-2000・5人槽
130<AJIS A 3302-2000・7人槽
台所2+浴室210人槽(二世帯など)
170㎡亀岡市の5人槽緩和基準(変更後)

亀岡市——170平方メートルへの緩和

国のJIS基準とは別に、自治体独自の緩和がある例もあります。

亀岡市の公表では、平成26年4月1日から浄化槽の住宅面積基準が変更されました。

5人槽は変更前「130平方メートル以下」、変更後「170平方メートル以下」です。7人槽は変更前「130平方メートルより上」、変更後「170平方メートルより上」です。10人槽(2世帯住宅など)は変更無しとされています。

延べ床面積は130㎡を超え、かつ170㎡以下の住宅でも、亀岡市内では5人槽でよいとされる可能性があります。

これは亀岡市に限った例です。他の自治体は同じ数値を採用しているとは限りません。補助金要綱と設置基準は自治体ごとに確認してください。

マイホーム建築予定なのですが、そこが浄化槽です。 ずっと下水通ってる所だったのでなんだそれって感じでした。 二世帯なので10人層設置らしく100万円とか... メンテナンスってバキュームカーの方がしてくれるんですか?

いなかの浄化槽 · 【ダイキXE型】浄化槽清掃を怠ると大変!5人槽の清掃手順紹介

二世帯で10人槽——台所と浴室がそれぞれ2か所以上あれば、算定上は10人槽の列に入ります。設置費用は設置費用の記事で人槽別に整理しており、10人槽は5人槽より高い帯に入りやすいです。清掃・保守点検・法定検査も、人槽の数が上がるほど料金表の列が変わります。

旧規格JIS A 3302-1988との違い

既存建築や古い資料を読むと、現行の130㎡基準と異なる算定式が出てきます。

旧規格の JIS A 3302-1988 では「n=5+(A-100)/30」という算定式があり、「ただし、Aが100m2以下の場合は5人とし、Aが220m2を超える場合は10人とする。」と記載されています。2000年版の「A≦130/130<A/台所・浴室2つ以上で10人」とは、面積の閾値も算定の考え方も異なります。

築年数の古い住宅や、過去の設計図書を手元にしている場合は、どの規格で算定されたかを指定検査機関に確認してください。

人槽が決まったあとに揃える3つの前提

見積もりを取る前に、人槽のほかに次を固定してください。

1つ目は処理方式です。合併処理と単独処理のどちらにするかを先に決めます。同じ7人槽でも処理方式で維持費の回数や設置条件が変わります。合併と単独の比較で整理しています。

2つ目は、設置費用の人槽別の帯です。5人槽・7人槽・10人槽で本体と工事の見積もり列が変わります。設置費用の記事を人槽確定後に読むと、数字の並びが整理しやすくなります。

3つ目は、清掃・保守点検の年間コストです。人槽は算定基準であり、使用人数が少なくても清掃は年1回以上、保守点検は処理方式に応じた回数が別の義務として残ります。清掃料金と保守点検の記事で、人槽別の料金表を分けて確認してください。

編集部の見解:「2人なのに7人槽」は設計ミスというより、算定基準が面積基準であることの帰結です。130㎡の境界では、JISの「A≦130」と自治体・業者の「130平米未満/以上」が食い違い、130㎡ちょうどの住宅ほど確認コストが上がります。亀岡市の170㎡緩和は、国の基準が全国一律で運用されているわけではないことの具体例です。10人槽の但し書き(状況に応じて減ずることができる)は、二世帯でも一律10人とは限らない余地を残しています。最終判断は、延べ床面積の確認書類と市町村・指定検査機関の回答で固めてください。

人槽の算定は建築確認や浄化槽の設置許可に直結します。延べ床面積は建築確認申請書・登記簿・固定資産税の課税明細で確認し、境界付近や二世帯・増築の場合は設計者と市町村の環境課に相談してください。補助金の対象人槽は市町村要綱の表が優先される場合があり、JISの区分と一致しないことがあります。

市町村に確認すべき3点

1つ目は、自宅の延べ床面積と台所・浴室の数です。図面と実態が一致しているかを先に揃えます。

2つ目は、市独自の面積緩和や補助金要綱の人槽区分です。亀岡市のように170㎡基準がある自治体もあれば、矢吹町のように「130平米未満/以上」と書く要綱もあります。

3つ目は、10人槽の減額算定の可否です。二世帯でも実際の使用が一方のみに近い場合、設計段階での相談が必要になることがあります。

算定の出発点は?

延べ床面積と台所・浴室の数。居住人数ではない。

2人で7人槽は?

「130<A」ならn=7。トーカンも130㎡以上で7人槽と説明。

二世帯は?

台所・浴室がそれぞれ2か所以上なら10人槽。状況に応じて減ずる余地あり。

130㎡ちょうどは?

JISはA≦130で5人槽。未満/以上と書く資料は境界で食い違う。

次に確認することは?

合併か単独か、設置費用・清掃の人槽別表、市町村の要綱。

環境省の表は?

表3-1一般住宅の算定基準。130㎡以下5人槽、超えれば7人槽、二世帯10人槽。

矢吹町は130平米未満/以上。アベルホームは約40坪未満/以上。亀岡市は平成26年4月1日から170平方メートル基準。旧JIS 1988はn=5+(A-100)/30、100m2以下5人、220m2超10人。フジクリーン・トーカン・中央日化も同系統の表を掲げる。環境省表3-1も130㎡以下5人槽。フジクリーンは「A ≦ 130」でn=5、「130 < A」でn=7、2世帯でn=10。中央日化は130㎡未満5人槽・以上7人槽。算定は居住人数ではなく面積基準。

よくある質問

浄化槽の人槽はどうやって決まりますか?

JIS A 3302-2000の住宅向け基準では、延べ床面積Aが「A≦130」なら「n=5」、「130<A」なら「n=7」、台所と浴室がそれぞれ2ヶ所以上なら「n=10」とされています。環境省マニュアルの表3-1も、延べ面積130㎡以下の住宅を5人槽、130㎡を超える住宅を7人槽、二世帯住宅(台所と浴室がそれぞれ2箇所以上)を10人槽としています。

2人暮らしなのに7人槽になるのはなぜですか?

処理対象人員は実際の居住人数ではなく延べ床面積で算定されるためです。JIS A 3302-2000では「130<A」の場合「n=7」となり、大人2人でも面積が130㎡を超えれば7人槽が基準になります。株式会社トーカンの説明でも「延べ床面積130㎡以上の場合・・・7人槽」とされています。

二世帯住宅は何人槽ですか?

台所と浴室がそれぞれ2か所以上ある二世帯住宅は10人槽です。JIS A 3302-2000には「⑤二世帯住宅のように浴室及び台所が2つ以上ある住宅は、実際にもほぼ独立した生活が送られていることから、処理対象人員は10人とする。ただし、状況に応じて減ずることができる。」と記載されています。環境省マニュアルも「二世帯住宅(台所と浴室がそれぞれ2箇所以上)」を10人槽としています。

延べ床面積130㎡ちょうどは5人槽ですか7人槽ですか?

資料によって答えが分かれます。JIS A 3302-2000と環境省マニュアルは「A≦130」を5人槽、「130<A」を7人槽とする一方、矢吹町の補助金要綱や株式会社アベルホームの記事は「130平米未満」を5人槽、「130平米以上」を7人槽としています。株式会社トーカンは「延べ床面積130㎡以下の場合・・・5人槽」「延べ床面積130㎡以上の場合・・・7人槽」と書き、130㎡が両方に含まれる表現になっています。境界上の住宅は市町村に確認してください。

亀岡市だけ基準が違うのは本当ですか?

亀岡市の公表資料では、平成26年4月1日から5人槽の設置基準が緩和され、変更前は130平方メートル以下だった5人槽が170平方メートル以下に、変更前は130平方メートルより上だった7人槽が170平方メートルより上に変更されています。10人槽(2世帯住宅など)は変更無しとされています。

人槽が決まったら次に何を確認しますか?

合併処理か単独処理か、設置費用の相場、清掃・保守点検の年間コストを人槽別に見積もる段階に進みます。人槽が大きいほど設置・維持費の帯が上がるため、算定結果を先に固定してから見積もりを取ると比較しやすくなります。

松本 大輔

浄化槽・生活排水 調査編集

浄化槽法や自治体の要綱、メーカー資料、実際の見積もり、そして持ち主の体験談を突き合わせて、浄化槽と生活排水処理の独立系ガイドを執筆・編集しています。業者でも販売店でもない立場から、費用と義務の「本当のところ」を整理するのが仕事です。

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